グローバリゼーションの進展は、社会に様々な課題を生み出しています。人々は経済活動を求めて越境し、国際的な人口移動はこれまで以上に盛んになっています。こうした現象は世界各地の家族や地域にあらゆる問題を引き起こしています。
今日ソーシャルワークが介入する課題には、世界と国内が類似の性質を帯びる傾向(グローカリゼーション:グローバルとローカルの合成語)がみられます。一方、現在の世界各国のソーシャルワーカーの養成制度は、国の制度の制約を受けており、グローカルな課題に対応する機能が十分に整備されていません。こうした制約は国際ソーシャルワークの実践において課題とされています。
私たちが設立した一般社団法人国際ソーシャルワーク協会は、国境および国が設けている制度や活動の制約に対して、ソーシャルワーカーの教育、実践、研究の分野で国境という境界を超えて、より親和性の高い人間性のあるグローカルなソーシャルワークに近づく取り組みを模索してゆきます。
これまで私たちが培ってきた国境を超える世界のソーシャルワーカー組織・個人のつながりは国境という制約を超え、制度を超え、連帯と共同を生み出すことができる力を内包していると実感しています。国際ソーシャルワークはグローバル時代のソーシャルワークの実態づくりを目指します。